2024 09,28 23:15 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2014 07,02 09:03 |
|
「っ!」唱え始めた瞬間心臓を鷲掴みされたような気がした。
体の警告か呪を唱えれば唱えるほど強くなり息をするのも困難になる。 やはり今の力量では… けれどここで別の術に切り替えることは出来ないし後もない。 例え成功しても長く続かないのは分かってる。一気に! 錫杖を握りしめ腹の底に力を入れた。 ***** 人型の神を召喚した井宿はまず壁に向かい術を放つ。 「鬼宿翼宿!この先に心宿がいる。青龍召喚を止めるのだ。張宿は大丈夫。だから行け!」 戸惑うが決意し地を蹴る2人と美朱。 次はこの魔物の動きを止めなねば… すると通じたのか神は魔物と力比べをするような形になり魔物の動きが遅くなる。 ここからだ ***** 次は… 「軫宿!なんでもいい張宿に話かけるのだ!張宿の意識を取り戻すのだ」 尋常なく汗が流れ落ちる。時間との勝負だ。 仲間への必死の呼びかけは僅かに魂を揺さぶる。 すると箕宿の意識が張宿に変わる。 もう少し! 「張宿!」 「負けるな!」 徐々に魔物の力が弱まり、消えた。 井宿も術を解き息を吐いた ***** 体が傾いたのを昴宿が支えた。 「あんた大丈夫かい?」 「大丈夫です」 「大丈夫ってあんた…」 手を振り切り張宿向かう。 張宿半分箕宿半分の状態を見て井宿は以前2人で議論した内容を持ち出した。 答えが出ない議題は星宿の理想を実現する為。 「君は役人になるのではなかったのだ?」 張宿の意識が強くなる ***** 「黙れっ!」 妖魔が向かう先は井宿。 立っていることすらやっとの井宿は反応はするが体がついていかない。 「井宿!」 ギリギリの所で軫宿が突き飛ばす。 「…軫宿」 「お前のような若造にわしの術が負けるものか」 呪を唱える箕宿。魔神の呪ではないが… …座り込んだまま印を組む。 「やめろー」 張宿が叫んだ ***** 魂からの叫び。 「お前の…思い通りに、させるものか!」 震える手で箕宿のマニ車を掴む。 まさか…いやと首を振り最善策を考える。 「張宿!それを捨てろ!」 マニ車は箕宿の術を使う核。 従おうとするが二人の人格が互いに阻止をする。 「離せ!」 「僕も戦える。僕だって朱雀七星士だ!」 箕宿を振り切った ***** 朱雀…そうか。 「張宿何をしてる早くそれを離せ!」 しかし決意した顔に焦る。 「張宿少し苦しいかもしれないが我慢するのだ」 張宿と軫宿が何をする気かと問うが構わず張宿に向けて結界を張った。 朱雀の結界に青龍の物は入れない。 苦しいが意識をしっかり持て… 幸か不幸か術を使う井宿にも構う暇などない ***** 収まりつつあった動悸と内蔵を掻き乱されるような感覚に吐き気がする。 結界を張ることすらこの状態か… そんな井宿を心配する昴宿に奎宿は何も言うなと首を振る。 「こいつらの戦い方に俺達が口出しすることじゃねぇ」 見守る事しか出来ないのはなんともどかしいことか。 「俺達にしか出来ないこともある」 ***** どれくらい時がたっただろうか… 当人たちには永遠とも感じる時。突然風向きが変わった。 全員が疑問を浮かべる中井宿は神経を研ぎ澄ませ、全ての術を解除させた。 「…箕宿の気が消えたのだ。もう張宿の中にいない」 瞬間ひどい脱力感が襲った。 張宿もその場にへたり込み軫宿が駆け寄った。 ***** 「よく、頑張ったのだ張宿」 ありったけの笑顔で言うとようやく現実味が出てきた張宿の目から涙が溢れた。 「ありがとうございます」 軫宿の大きく優しい手に涙が止まらない。 丁度その時青龍召喚を阻止できなかったと悔しそうな3人が戻ってきた。 「1度うちで体制を立て直すぞ」 奎宿が移動の術を使った。 ***** 一晩死んだように眠った井宿は診察を受けていた。 「おかしいね、私の術が効かないなんてね」 やはりと思った。 無理やり使った術は魂を削ったのも同意だ。 納得したのは井宿だけで共にいた男はこの疲労っぷりに納得しない。 脅され白状させられたが後悔はない! 術を使うなと言われたが無理だなと苦笑した。 PR |
|
2014 07,01 00:56 |
|
突然投げ出された。
否が応でも感じる重力と迫り来る地面に恐怖を感じる。 このままでは間違いなく死…逃げるように目を強く閉じる。 …気遣う幼い娘の声に体の力が抜けた。 へたり込んだ自分に上から声がかかる。 直前まで交わしていた内容を思い出し残った全ての力を込めて睨むと老婆はニヤリと笑った。 修行中に崖のから突き落とされました。 このレベルで危険なことも一つや二つじゃないはず。 |
|
2014 07,01 00:54 |
|
彼の部屋はほんのり薬品の香りがする。
苦手な香りだ。 けれど激痛と死臭の記憶が安堵の香りにいつしか変わっている。 不思議だ。 彼がいるから失わずにすむ。依存するつもりはないが失いたくないから。 自然と彼と肩を並べることが多くなる。 |
|
2014 07,01 00:54 |
|
今だけはとあの気配を消し逃げるように姿を隠す。
だがどうしても一緒になる食事の時間席を立った時呼び止められた。 「後で俺の部屋に来い」 意味が分からないという風に首を傾げると「医者の言葉だ」と睨まれた。 肩を落とし言う通りにする。 何故と問うと 「無茶をする時いなくなるからな」 バレていたのだ |
|
2014 07,01 00:53 |
|
思いつきで始まったかくれんぼ。
山丸ごと使うのだから容易ではない。 そんなかくれんぼに巻き込まれた愉快な…もとい不運な彼は隠れてよし見つけてよしの専門家。 流石ですねぇと感嘆の声をあげれば珍しく不服そうに眉を潜ませた。 「翼宿のお父さんには適わない気がする…」 その一言に腹を抱えて爆笑した |
|
忍者ブログ [PR] |